ここ数年、ヘアケア市場の主役は間違いなくオイル系プロダクトだった。しかし、2026年現在のサロン現場では、明確な変化が起きている。重い油分で毛髪表面を強力にコーティングする手法は、一見ツヤが出ているように見えて、毛髪内部の深刻な水分不足(ドライヘア)を隠しているに過ぎないという事実が浸透したためだ。
最新の毛髪皮膚科学によれば、現代人の髪は過剰なカラーリングや毎日の高熱アイロンによって、毛髪骨格(ケラチン構造)がスカスカになる「中空化現象」を起こしている。オイルだけではこの空洞を満たせない。水分と油分が絶妙なバランスで乳化されたヘアミルクこそが、内側へ潤いを届け、しなやかな弾力を取り戻す現実的な解決策なのだ。軽やかなエアリー感を維持したままスタイルが決まる点も、現代のナチュラル志向と見事に合致している。