而今のラインナップは、原料米の品種や精米歩合、火入れの有無によって多彩な表情を見せます。それぞれの特徴を把握しておくことで、自分の好みに最適な1本を選ぶことができます。
1. すべての基準となる「特別純米」
而今の真髄を最も手頃に体感できるのが特別純米です。麹米に山田錦、掛米に五百万石を使用し、精米歩合60%で仕込まれます。グラスに注ぐとリンゴや白桃を思わせるフレッシュな香りが立ち上り、含むと瑞々しい果汁のようなジューシーさが広がります。後口には引き締まった酸味が心地よく残り、食中酒としても抜群のポテンシャルを誇ります。冬から春にかけて限定出荷される「にごりざけ生」は、爽快なガス感とクリーミーな旨味で熱狂的なファンを持つ一本です。
2. 酒米のテロワールを表現する「純米吟醸」シリーズ
而今の評価を決定づけたのが、単一の酒米で仕込む純米吟醸シリーズです。米の品種によって驚くほど異なる個性を見せてくれます。
- 山田錦:王道の気品。洋梨のような艶やかな香りと、滑らかでシルキーな甘みが口いっぱいに広がります。
- 雄町:芳醇でふくよか。完熟した果実のボリューム感と、芯のある酸が絶妙に溶け合います。
- 千本錦・八反錦:広島県産米を使用。シャープで輪郭がはっきりしており、透明感のあるモダンなキレ味が特徴です。
- 愛山・酒未来:濃密でリッチな甘み。トロピカルフルーツを連想させる華やかさがあり、乾杯酒やデザートワイン的な楽しみ方も可能です。
3. 蔵の技術を結集した最高峰「純米大吟醸 NABARI」
蔵元が位置する三重県名張市産の山田錦のみを使用し、精米歩合を高めて仕込む最高峰。雑味が一切排除されたクリスタルな透明感、鼻腔をくすぐる上品なアロマ、そして喉を通り過ぎた後に長く続くエレガントな余韻は、まさに日本のクラフトサケの頂点に相応しい完成度です。