転機となったのは、ショート動画プラットフォームのTikTokやX(旧Twitter)を中心としたSNSでの情報拡散だ。若者たちの間で、承認欲求や現実逃避の手段として市販薬の過剰摂取が可視化されるにつれ、薬をシートから押し出す擬音「パキッ」に由来する隠語としてこの表現が使われ始めた。
本来の良質なポップカルチャー文脈から離れ、過激な投稿やハッシュタグとともに拡散された「パキる」は、瞬く間にネット流行語として独り歩きを開始した。タイムライン上で若者が吐露する孤独や不安が、危険な薬物行為の隠語と結びつく構造が固定化されていったのである。