「サライ」という言葉の直接の起源は、古代ペルシャ語(現代のペルシャ語・ペルシア語圏)の名詞「sarāy(سرای)」です。ラテン文字・英語表記では「sarai」と綴られ、本来は「家」「邸宅」「宮殿」、さらには旅人が宿泊する「宿」を意味しています。
歴史的に最も知られている用例が、シルクロード交易を支えた「キャラバンサライ(Caravanserai:隊商宿)」です。広大な砂漠や荒野をラクダとともに何日も旅する商人たちにとって、キャラバンサライは過酷な行程の中で命を繋ぎ、乾いた喉を潤し、安心して眠りにつくことができる唯一無二のオアシスでした。
過酷な旅の果てに辿り着く安らぎの宿──このイメージが転じ、現代の日本では「誰もが心の中に抱く安らぎの場所」「いつか帰るべき心のふるさと」という象徴的な意味合いとして深く定着しています。