東西の拠点は、単に坂路の傾斜だけでなく、施設全体の設計思想にも明確な特徴があります。約224万平方メートルという広大な敷地面積を誇る美浦トレーニングセンターの施設概要を見ると、南馬場と北馬場の2つの巨大トラックを有し、フラットコースのバリエーションにおいて極めて恵まれた環境を誇ります。
美浦と栗東の決定的な違いを整理すると、以下のポイントが挙げられます。
- トラックコースの広大さ:美浦の南馬場・南W(ウッドチップ)コースは1周2,000mを超え、コーナーのカーブが緩やか。馬体に無理な負荷をかけずにスピードを維持する調教に適しています。
- 調教馬場のクッション性:美浦のウッドチップ馬場は独自のチップ配合と丁寧な路面管理により、脚元への負担を最小限に抑えつつ、推進力を養う絶妙なグリップ力を実現しています。
- 施設配置のレイアウト:広大な美浦は各厩舎から馬場までの移動距離が長く、日常の常歩(なみあし)運動自体が基礎体力の向上に寄与しています。
フラットなウッドチップコースで伸びやかなフォームを作り、仕上げに新坂路で強烈な負荷をかけるという「美浦独自の二段構え調教」が定着したことで、長距離戦やタフな馬場コンディションにも屈しない屈強なサラブレッドが次々と誕生しています。