「ひどい接客をされた」という怒りから、店員の顔写真や胸元の名札を勝手にスマートフォンで撮影し、誹謗中傷の文章を添えてネット上に晒し上げる行為が後を絶たない。しかし、法曹界で活躍する弁護士たちは、この過剰反応に強い警鐘を鳴らし続けている。
たとえ店員側の接客態度に明らかな問題があったとしても、特定可能な個人の社会的評価を低下させる動画や画像をSNSへ無断投稿すれば、名誉毀損罪(刑法230条)が成立する可能性が極めて高い。さらに、店内で大声を張り上げて店員を責め立てたり、レジの前から動かずに不当な謝罪を要求し続けたりした場合は、威力業務妨害罪(刑法234条)が適用され、警察に逮捕されるリスクすら存在する。店員の態度への抗議が、一瞬にして刑事罰の対象へと変貌してしまうのだ。