あまりにも唐突だった。ツアーの最中、そして結成10周年という大きな節目を目前に控えたタイミングで届いた報せは、バンドのファンのみならず音楽界全体を呆然とさせた。直前までSNSで元気にメッセージを発信していたこともあり、現実に追いつけない人が続出したのは記憶に新しい。
同世代のバンドマンやアレンジャー、ライブハウスの関係者からは、彼の死を悼む声が相次いで寄せられた。誰もが口を揃えて語ったのは、プレイヤーとしての卓越した実力だけでなく、誰に対しても分け隔てなく接する彼の温厚で人懐っこい人柄だった。ステージの上で見せる最高の笑顔と、ギターを構えた瞬間の鋭い眼光。そのギャップこそが、黒田隼之介という男の最大の魅力だった。