彼の分析力を語るうえで外せないのが、東京大学運動会ア式蹴球部での監督経験だ。フィジカルや個の能力で劣るチームが、いかにして限られたリソースで格上の強豪に立ち向かうか。その解として提示されたのが、圧倒的な論理と徹底した戦術の共有だった。
選手個々に説得力ある言葉で戦術を落とし込み、ピッチ上で再現させるプロセスは、彼の「言語化能力」を極限まで鍛え上げた。指導現場で培われたロジカルな思考法は、解説者としての言葉の精度を格段に引き上げ、難解な戦術コンセプトを一般の視聴者にも直感的に理解させる力へと昇華している。