見落としてはならない。カメラが引く直前の0.5秒間、乃木の左手に握られていた真鍮製の小さな鍵だ。
バルカの伝承に詳しい関係者への独自取材によると、あの形状の鍵は単なる扉の開閉用ではない。かつて旧ソ連時代に建設された地下核シェルター、あるいは極秘データバンクのアクセスキーとして使われていた特殊な遺物である可能性が高い。乃木が敵に投降する直前、上着のポケットから手元へと滑らせたあの鍵。あれこそが、第13話における最大のトラップであり、次回への致命的な布石となっている。彼は奪われたのではない。自ら敵の懐に「毒」を仕込みに行ったのだ。