バックステージで行われた勝利者インタビュー。ベルトを肩にかけた新王者の目には、うっすらと光るものがあった。「ここまで来るのに、どれだけのものを犠牲にしてきたか分からない」。言葉を詰まらせながら語る姿には、リング上の冷徹なファイターの顔はなく、一人の人間としての苦悩と安堵が滲み出ていた。
対照的に、敗れた前王者は悔しさを噛み殺しながらも、「これが格闘技。また一からやり直すだけ」と前を向いた。潔い敗者の弁に、報道陣からも惜しみない拍手が送られた。敗北を知った強者が次にどんな進化を遂げて戻ってくるのか、物語はすでに動き始めている。