実務を担った厚生労働省と経済産業省の現場は、まさに未曾有の混乱の中にあった。世界的な資材争奪戦が激化する中、短期間で億単位の枚数を確保することは至難の業であった。両省庁の担当官は、海外の生産拠点から資材を確保すべく日夜調整に追われ、検品や物流網の構築という通常業務を超えた過酷なミッションに直面していた。
行政の縦割り打破が叫ばれる中での合同オペレーションであったが、情報共有の遅れや意思決定ラインの複雑化が現場の混乱に拍車をかけた。急ごしらえの供給ラインは品質管理の面で課題を残し、不良品発生に伴う返送・再検品作業は省庁関係者に甚大な作業負担を強いる結果となった。