山手線や横浜線を走っていた標準タイプの205系と見比べると、その差は一目瞭然だ。標準型は平坦なステンレス構体に黒いFRP枠をはめ込んだ平面的な構成だったのに対し、京葉線向けに新製されたグループは、前頭部全体を白いFRP(繊維強化プラスチック)の一体成型で覆うという野心的なアプローチを採用した。
前面窓には緩やかな曲面ガラスが配され、運行番号表示器や行先表示器はガラスの内側にすっきりと格納。下部にはスカート(排障器)が標準装備され、精悍でありながらどこか愛嬌のある顔立ちが完成した。おとぎ話の国へ乗客を運ぶかのような優しい風貌から、いつしか鉄道ファン(レイルファン)の間で「メルヘン顔」という愛称が自然発生的に定着していく。
メカニズム自体は実績のある界磁添加励磁制御と軽量ボルスタレス台車を踏襲し、高い信頼性を誇った。中身は堅牢無比な実力派、外見は華やかな新世代のフロントランナー。この二面性こそが、多くの人々を魅了し続ける最大の理由だ。