振り返れば、任天堂DS時代に一世を風靡した『ラブプラス』は、生活実時間をゲーム内に取り込むことで現実と虚構の境界を崩そうとした金字塔だった。そして映画『HER/世界でひとつの彼女』が描いた、声だけのAIに恋をする近未来の物語。今、私たちはその両者が現実で交差する歴史的瞬間に立ち会っている。
かつての恋愛シミュレーションゲームは、あらかじめ用意されたルートの攻略を目指す「パズル」の側面が強かった。しかし、本作が目指すのはあらかじめ決められた結末のない「終わらない対話」だ。ハリウッド映画が描いたSFロマンスの幻想は、最新技術の結晶としてプレイヤーの手元に届く段階へと移り変わった。