今、食通たちの視線を独占しているのは「セリ権(仲買権)」を持つ漁協や船主が直接運営する店舗だ。従来の流通ルートを経由する場合、中央卸売市場から仲卸、そして都市部の店舗へと並ぶまでにどんなに早くても1日〜2日のタイムラグが生じる。しかし港に隣接した食堂では、今朝あがったばかりの魚がわずか数十分後には刺身や海鮮丼として提供される。
「この身の締まりと甘みは、都市部の高級寿司店でも絶対に出せない」。静岡県の港で朝獲れの生サクラエビと生生しらすの二色丼を口にした30代の来訪者は目を見張る。中間マージンを徹底的にカットすることで、市場価格の半額近い圧倒的なコストパフォーマンスを実現している点も、物価高が続く2026年において強烈な磁力となっている。