ピアスを外した後の耳たぶを触った際、内部にコリコリとした硬い異物感(しこり)を自覚することがあります。このしこりの正体は、主に炎症の治癒過程でコラーゲン線維が過剰に増殖した「瘢痕組織(はんこんそしき)」または皮脂や角質が袋状に溜まった「粉瘤(アテローム)」です。
しこりが残っている状態で、過去と同じ位置に無理やりピアスを通したり、市販のピアッサーで貫通させようとしたりするのは極めて危険です。瘢痕組織は硬く血流が悪いため、傷の治りが極端に遅く、再度強い炎症を起こしてケロイド化するリスクが跳ね上がります。
しこりがある場合の医学的に正しいアプローチは以下の通りです。
- 刺激を与えず放置する:軽度の瘢痕であれば、ピアスを完全に外し、一切触らずに半年から1年程度放置することで、組織が代謝されて徐々に小さくなることがあります。
- 皮膚科・形成外科での診断を受ける:赤みや熱感を伴う場合、あるいはしこりが徐々に巨大化している場合は、ステロイド局所注射や摘出手術などの専門的治療が必要です。
- 開け直しは「しこりを避けた位置」に行う:しこりが完全に消えない場合、同じ中心点への再穿刺は避け、最低でも2〜3mm以上離れた健全な皮膚組織を選んで開け直すのが医療界の鉄則です。