「地下鉄七隈線に乗ればわずか1分で着く」という交通案内を見て地下鉄改札へ向かう旅行者が直面するのが、地下深いホームへの昇降と乗り換えにかかる「見えないタイムロス」です。
福岡市地下鉄七隈線の博多駅ホームは地下深くに位置しており、JR博多駅の中央改札や博多口コンコースから七隈線ホームまで移動するだけで、エスカレーターの乗り継ぎを含め通常徒歩で約3〜4分を要します。電車の運行間隔(日中約5〜7分間隔)を挟み、櫛田神社前駅で下車して地上出口へ上がる時間を合わせると、博多駅改札からキャナルシティ館内までのトータル時間は実質的に約8〜10分に達します。
これに対し、博多口を出て一直線に伸びる「はかた駅前通り」を進む徒歩ルートは、信号待ちが2〜3箇所あるものの、平坦な幅広歩道を淡々と進むだけで実測10〜12分でイーストビルやセンターウォークに到達します。現地で周辺オフィスワーカーや地元住民に聞き取りを行うと、「天気が良い平日の日中なら、地下に潜って電車を待つより地上を早歩きしたほうが気分的にも早く着く」という証言が多数を占めます。
しかし、これが雨天時や気温が35度を超える真夏日となると評価は180度反転します。空調の効いた地下空間を移動できる安心感と体力消耗の回避を考慮すれば、地下鉄の210円という初乗り運賃は極めて妥当な対価として機能しています。