四季折々の表情を見せる上野恩賜公園。その広大な緑のなかに位置する上野精養軒は、日本の高級西洋料理産業における紛れもないパイオニアである。明治5年の創業以来、西洋の食文化を日本へ移入し、定着させるうえで果たした役割は計り知れない。
文明開化の象徴として誕生したこの地は、かつて鹿鳴館と並び立つ外交の拠点でもあった。当時、まだ日本人が馴染みの薄かった西洋のテーブルマナーや本格的な調理技術を広め、VIPを魅了し続けた歴史がある。公園の豊かな自然環境と一体化した格式あるロケーションは、今日においても都心の喧騒を忘れさせる特別な価値を提供し続けている。