高輪ゲートウェイ駅の空間に足を踏み入れると、一般的な駅とは一線を画す開放感に包まれます。デザインを手がけたのは、世界的建築家の隈研吾氏です。
駅舎全体を覆う大屋根は「折り紙」をモチーフにした幾何学的な構造で、日本の伝統的な障子を想起させる半透明の膜素材が採用されています。福島県をはじめ東北産の木材がふんだんにあしらわれ、自然光が柔らかく差し込む大空間は、木と光が調和した温もりのある景観を生み出しています。
一方で、工事期間中に日本近代化の象徴である「高輪築堤(たかなわちくてい)」の遺構が地中から出土したことは、国内外に大きな衝撃を与えました。1872(明治5)年に日本初の鉄道が走った海上線路の跡地であり、国の史跡にも指定されています。再開発計画を一部見直し、貴重な石垣の一部を現地保存・公開する取り組みが行われており、最先端の未来都市と150年前の鉄道発祥の歴史が美しく共存する稀有なエリアとなっています。