世界中で採用されている標準時の多くは、1時間単位、あるいは30分単位で設定されています。なぜネパールだけが「45分」という中途半端な数値を守り続けているのでしょうか。
その理由は、ネパールの地理とナショナリズムに深く結びついています。1986年、ネパール政府は国内の標準時を、首都カトマンズの東に位置する聖峰「ガウリサンカール(標高7,134m)」の山頂を通る子午線(東経86度15分)に基づいて正式決定しました。
かつてはUTC+5:40が使用されていた時期もありましたが、より精緻な天文学的観測と、隣国インド(UTC+5:30)との差異を明確にする目的から、現在の「UTC+5:45」へと改定された歴史があります。わずか15分の違いに、隣国に対する独立性と自国の地理的アイデンティティへの強い誇りが込められています。