店頭で見かける「エンツァイ」や「ヨウサイ(蕹菜)」という表記を目にして、空芯菜と何が違うのか戸惑った経験はないでしょうか。結論から言えば、空芯菜とエンツァイの違いは単なる呼び名の違い(同種異名)です。学名はIpomoea aquaticaで、ヒルガオ科サツマイモ属に分類される同一の植物です。中国語の「蕹菜(オンサイ)」が転じた「エンツァイ」、茎の中が空洞である特徴を表した通称「空芯菜」、沖縄で親しまれる「ウンチェー」など、地域や流通ルートによって呼び分けられているに過ぎません。
空芯菜の旬と選び方を押さえることは、料理の成否を分ける第一歩です。空芯菜の旬は6月から9月を中心とした夏季で、高温多湿の環境下で最も柔らかく風味豊かに育ちます。スーパーで見極める際は、以下の3点を確認してください。
- 葉の色とハリ:鮮やかな濃い緑色をしており、先端までピンと張って黄色く変色していないもの。
- 茎の太さと弾力:太すぎず(直径5〜8mm程度が目安)、しなやかでみずみずしさがあるもの。太すぎるものは繊維が硬く筋張っている傾向があります。
- 切り口の状態:根元の切り口が黒ずんでおらず、みずみずしい白色を保っているもの。
熱帯原産の空芯菜は寒さと乾燥に極めて弱いため、購入後の空芯菜の保存方法には特別な配慮が求められます。冷蔵庫の冷気に直接当てると、わずか1〜2日で葉が黒く変色(低温障害)してドロドロに溶けてしまいます。
数日以内に使い切る場合は、根元を数ミリ切り落として冷水に数分浸けてシャキッとさせた後、湿らせたキッチンペーパーで根元を包み、ポリ袋に入れて野菜室に立てて保存してください。この「立てて保存」を行うだけで、3〜4日は鮮度とシャキシャキ感をキープできます。
長期保存したい場合は、硬めに塩茹でして冷水にとり、水気を限界まで絞って小分けにし、ラップで密閉して冷凍庫へ入れれば約3週間の保存が可能です。ただし、解凍後は炒め物特有のクリスピーな食感が落ちるため、スープやお味噌汁の具材として活用するのが賢明です。