本作を手掛けたのは、デビュー作で国際的な評価を決定づけた気鋭の映画監督マイムナ・ドゥクレだ。彼女はパリのリアルな路上生活と少女の純粋な内心世界を対比させるため、過度な装飾を削ぎ落としたドキュメンタリー手法を取り入れた。
撮影現場での演出は即興性を重視し、街の喧騒や自然光を巧みに活かした手法が採用された。マイムナ・ドゥクレ監督の強いこだわりが結実したカメラワークは、主人公の孤独と切実な願いを逃さず捉えており、観客に強い臨場感をもたらしている。計算し尽くされた映像美と生の感情が交差し、独自のフレームを作り出しているのだ。