彼女の女優キャリアにおける金字塔の一つが、押井守監督が手掛けた実写化プロジェクト『THE NEXT GENERATION パトレイバー』でのロシア人操縦士・カーシャ(エカテリーナ・クラチェヴナ・カンナエヴァ)役だ。鋭いアクション、冷徹な目線、そしてミリタリーウェアを完璧に着こなす佇まいは、原作ファンからも絶大な支持を獲得した。
一方で、映画『海月姫』で見せた変貌ぶりは、日本映画界に大きな衝撃を与えた。前髪で顔を完全に隠し、オタク的な挙動と奇抜な竹馬スタイルで暴れ回る「まやや」役を怪演。美しいモデル像を完璧に打ち砕き、キャラクターの魂をそのまま身にまとったかのような熱演は、彼女が持つカメレオンのような演技力を白日の下に晒した。映画やテレビドラマという枠組みを超えて、作品のトーンに自らを自在に馴染ませる柔軟性こそ、彼女の真骨頂である。