事故物件をめぐる人々の意識は、確実に多様化の道をたどっている。かつては「縁起が悪い」「絶対に避けたい」と一蹴されていた物件だが、合理的かつ現実的な理由から選択肢に入れる若い世代が増加中だ。物価高や家賃負担の増大が続く都市部において、家賃が3割から5割安くなるという経済的メリットは非常に魅力的だからだ。
また、特殊清掃技術の飛躍的な向上や完全リノベーションによって、室内環境そのものは新築並みに整えられているケースも多い。「過去の経緯よりも現在の快適性と安さを優先する」というドライで合理的な価値観が浸透しつつある。都市の記憶をどう受け止め、自らの生活空間とどう折り合いをつけるのか。事故物件公示サイトが浮き彫りにしたのは、不動産の過去だけでなく、現代を生きる人々の住まいに対する価値観の変容そのものなのだ。 (出典: 大島 てる(Yahoo!ニュース))
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