太平洋とポロト湖に囲まれた広大なエリアにそびえ立つウポポイ(民族共生象徴空間)。開館以来、多くの来場者を魅了してきたこの施設は、今まさに新たな進化のときを迎えている。施設内の中核をなす国立アイヌ民族博物館では、従来の展示にとどまらない体験型プログラムが次々と始動。伝統的な歌舞や口承文芸のライブパフォーマンスは、迫力ある音響と光の演出が加わり、観客の心に深く響く。
とりわけ注目を集めているのが、未公開の伝統儀式を限定公開するナイトイベントだ。漆黒の夜空の下、薪の炎が揺らめく野外ステージで演じられる祈りの儀式は、参加者の呼吸を止めるほどの神聖さに満ちている。文化庁による後援企画や特別協賛プロジェクトも相次ぎ、日本を代表する文化的ハブとしての存在感は増すばかりだ。敷地内を歩くだけで、数百年を超えて受け継がれてきた人々の息遣いが直接肌へと伝わってくる。