本作のクオリティを底上げしている最大の要因は、制作総指揮を務めたデヴィッド・フィンチャーの存在だ。緻密な映像美と徹底的な完璧主義で知られる彼が、日本の昭和のお笑い文化と出会ったことで、前代未聞の化学反応が生まれた。
現場からのリークによれば、フィンチャーは萩本欽一の過去の映像資料を何百時間も研究し、計算し尽くされた「間」とタイミングをサスペンスに応用したという。冷酷なまでの計算と、人間の愚かさを笑い飛ばす滑稽さ。この2つが奇跡的なバランスで融合した結果、観る者の脳裏に焼き付いて離れない傑作が誕生したのだ。