しかし、救済は無償ではなかった。細木による島倉のコントロールは、私生活の細部にまで及んだとされる。衣装の選定から人間関係の整理、さらには日々の行動指針にいたるまで、細木の許可なしには何一つ決められない日々。島倉のファンや周囲の関係者からは、「細木に搾取されているのではないか」という疑念の目が向けられることも少なくなかった。
実際、二人の関係は常に緊張感を孕んでいた。時には激しく衝突し、絶縁と復縁を繰り返す。それは、互いに強烈な自己を持ちながらも、相手なしではその時代の荒波を乗り越えられなかった、共依存的な愛憎劇そのものだったのだ。