ルシウス・ゾグラティスがクローバー王国の魔法帝という最高権力の座に潜伏し続けた理由は、極めて壮大かつ狂気的な思想に基づいています。
ルシウスが保有する本来の魔法属性は「魂魔法」です。これは他者の魂の形状、記憶、魔力、さらには肉体の構造そのものを自在に変質・操作できる絶対的な力。さらに、冥府から失踪していた最上位悪魔アスタロットを自らの身に宿すことで「時間魔法」をも手中に収めました。この2つの規格外の魔法を掛け合わせることで、ルシウスは以下の計画を着々と進めていたのです。
- 人類の肉体と魂の完全改造:差別、不平等、争いの元凶となる「魔力の格差」や「死」を排除するため、全人類の魂を均質につくり変える。
- 不滅の存在「真の人間」の創世:死なない肉体と高潔な精神を与え、自らが「最後の魔法帝」として統治する恒久の平和を実現する。
- 予知と時間改変による確定された未来:時間魔法によってあらゆる可能性を演算し、自らの理想郷へと世界を強制誘導する。
ルシウスの思想は単なる破壊や略奪ではなく、彼なりの「絶対的な救済と平和」です。しかしそれは、人々の意志や命の尊厳を完全に否定する全体主義的ディストピアに他なりません。