彼の徹底した役作りを象徴する作品の一つが、映画『KAPPEI カッペイ』だ。終末の世が来なかったために行き場を失った最強の戦士という異色の役柄において、伊藤英明は常軌を逸したトレーニングで鍛え上げた肉体を披露した。コメディでありながらも一切の妥協を許さないその姿勢は、観客を大いに驚かせた。
肉体を誇示するアクション映画の現場から、心理的な葛藤を描く重厚な人間ドラマに至るまで、彼のアプローチは揺るがない。役に必要であれば、自らの容姿がどう評価されようと厭わない。若さを保つことよりも、作品のキャラクターとして完璧に生き切ること。その圧倒的なプロ意識こそが、時に彼のビジュアルを劇的に変貌させ、「老けた」という錯覚を周囲に与えるほどのインパクトを生み出している。