騒動が拡大するにつれ、競技を統轄する日本ボクシングコミッション(JBC)の足元も大きく揺れた。世界王者の不祥事疑惑となれば、規律を守る立場として厳格な対処が求められる。処分を求める世論の声と、リング上で結果を出し続ける選手を守りたいという思いの間で、組織は苦しい判断を迫られた。
彼を育み支え続けた松田ボクシングジムの対応もまた、窮地に立たされていた。会長をはじめとするスタッフは、メディアの集中砲火から選手を隔離し、トレーニングに集中できる環境を死守しようと奔走した。厳罰を叫ぶ外野の声に対し、ジム側は真実に基づいた公正な処遇を主張し続けた。この防波堤がなければ、彼のボクサー生命はここで断たれていたかもしれない。