1999年にデビューを果たした藤原ここあ先生は、若くしてその突出した才能を開花させた。代表作『妖狐×僕SS』(いぬぼくシークレットサービス)は、妖怪の先祖返りたちが集うマンションを舞台にした異色のラブコメディであり、累計発行部数数百部を超える大ヒットを記録。ツンデレや主従関係といった属性を巧みに織り交ぜた緻密なキャラクター描写は、アニメ業界においても高い評価を獲得した。
また、それ以前に手掛けた『Dear』などの初期作品から一貫して見られたのが、繊細な人間関係と重厚な世界観の融合だ。独自の世界観で構築されたファンタジー漫画のスタイルは、多くの後進クリエイターたちに多大な影響を与え続けている。
ギャグのテンポの良さと、胸を締め付けるような切ない感情描写。その絶妙なバランス感覚こそが、藤原ここあという唯一無二の作家性の真骨頂であった。