バンド名とともにサザンオールスターズの代名詞となったのが、1978年のデビュー曲『勝手にシンドバッド』のタイトルです。この極めてインパクトの強い曲名にも、桑田佳祐ならではの規格外のセンスとユーモアが凝縮されています。
当時、日本のヒットチャートの頂点を争っていたのが、沢田研二の『勝手にしやがれ』と、ピンク・レディーの『渚のシンドバッド』(ともに1977年発売のメガヒット曲)でした。桑田は「当時流行っていた2曲のタイトルをくっつけただけ」と公言していますが、これは単なる悪ふざけではなく、当時の歌謡界に対する強烈なアンチテーゼと敬意(オマージュ)が表裏一体となった仕掛けでした。
イントロの熱狂的なサンバのリズムから、早口の日本語を英語のリズムに乗せて歌い上げる斬新なスタイルは、当時の音楽番組で「日本語ロックの革命」と騒然となりました。コミカルなタイトルで世間の耳目を集めつつ、中身は極めて高度なミクスチャー・ポップスを提示する手法は、デビュー時から確立されていたサザンの真骨頂と言えます。