音楽プロデューサーやラッパーたちからも「技術的に一切の妥協がない」と評されるブライアンのラップスキル。その凄みを紐解く鍵は、「徹底した多音節押韻(マルチシラブルライミング)」と「変幻自在のリズムアプローチ(フロウ)」の2点に集約されます。
まず押韻の構造に注目すると、ブライアンのリリックは単語の末尾だけで合わせる単純な脚韻にとどまりません。4音から6音、時には8音以上に及ぶ母音の完全一致(母音踏み)を小節を跨いで連続させながら、文脈の整合性を一切崩さないという驚異的な技法が多用されています。子音の響きを意識した頭韻の配置や、英語と日本語をシームレスに繋ぎ合わせるバイリンガル特有のライミング技術は、長年の洋楽リスナー経験に裏打ちされたものです。
さらにフロウの評価においては、近年のUSトラップミュージックの潮流である3連符(トリプレット)のタイトな連射から、クラシックな90年代ブーンバップのレイドバックしたグルーヴまで、あらゆるBPMのビートに完璧にアジャストします。ビートの裏拍を意図的に取る「オフビート気味のアプローチ」や、ピッチ(音高)の微細なコントロールによって、聴き手に強烈な疾走感と心地よいグルーヴをもたらしているのです。