『愛という名のもとに』を語る上で避けて通れないのが、中野英雄さん演じる「チョロ」こと倉田篤の壮絶な死です。第11話で描かれた彼の自死シーンは、当時のテレビドラマ史上最もショッキングな展開の一つとして日本中に激震を走らせました。
チョロが命を絶つに至った直接的な理由は、職場での過酷ないじめと多額の横領による精神的破綻です。真面目で心優しいチョロは、就職した証券会社で厳しい営業ノルマを課され、上司や同僚から日常的に暴言や暴力などの凄惨なパワハラを受けていました。受話器を頭にガムテープでぐるぐる巻きに固定され、電話営業を強要されるシーンは、当時の労働環境の過酷さを浮き彫りにする象徴的な描写でした。
心の救いを求めて通い詰めたフィリピンパブのホステスに好意を抱いたチョロは、彼女を救いたい一心から、会社の顧客資金(約3,000万円)を不正に横領して貢いでしまいます。しかし、それすらも仕組まれた罠であったことを知り、社会的にも精神的にも逃げ場を完全に失いました。仲間たちにも自らの過ちを打ち明けられず、かつて青春を共にした大学のボート小屋近くの林で首を吊って命を絶ちました。
チョロ役を体当たりで演じた中野英雄さんは、この役を機に一躍全国区の知名度を獲得し、以降はVシネマやアウトロー作品、サスペンスドラマで唯一無二の強烈な個性を放つバイプレイヤーとして地位を確立しました。2026年現在では、実の息子である俳優の仲野太賀さんがNHK大河ドラマの主演を務めるなど国民的トップ俳優へと成長しており、親子二代にわたる日本エンタメ界への貢献が大きな話題を集めています。