報道各社が実施する世論調査において、「女性天皇を認めるべき」という回答は一貫して70%〜80%超の高水準を維持しています。成年を迎えられた愛子内親王の誠実な公務への取り組みや、日本赤十字社での勤務姿勢に対する国民の好感度が、この待望論を力強く後押ししています。
しかし、世論の熱気と永田町における立法手続きの間には大きなギャップが存在します。
政府の「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に基づく有識者会議がまとめた最終報告書では、以下の2点が主要な方策として提示されました。
- 女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案(女性宮家の創設・身分保持)
- 皇族の養子縁組を可能とし、旧宮家の男系男子を皇族に復帰させる案
重要なのは、有識者会議の報告書が「悠仁さままでの皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」と明記した点です。つまり、喫緊の課題である「皇族数の減少に伴う公務の負担増」に対処することを最優先とし、皇位継承資格を女性・女系に広げる議論は「将来検討すべき課題」として実質的に先送りされています。
したがって、現時点で直ちに法改正が行われ、愛子さまが次期天皇として即位する法的なロードマップが敷かれているわけではありません。国会論議は依然として「悠仁さまの次の世代」をどう維持するかという論点に重心が置かれています。