SNSや専門掲示板、犬種別コミュニティを徹底調査すると、愛犬の死や重篤な疾患に直面した飼い主たちの痛切な後悔の声が数多く見受けられます。
「ブーブーと豚のように鳴いて寝ている姿を『可愛い』と思い込み、SNSに動画を投稿していた。だが獣医師に診せたら『これは重度の呼吸困難で苦しんでいるサインだ』と叱責された。あの時すぐに対処していれば、8歳で亡くすことはなかったはず」(東京都・40代飼い主の手記)
「夜間救急に駆け込んだ時にはすでに体温が41度を超えていた。初夏の夜、気温は24度程度だったが、室内でのおもちゃ遊びで興奮したことが引き金になった。短頭種の熱中症の恐ろしさを舐めていた」(神奈川県・30代飼い主)
都内の高度動物医療センターで外科手術を手がける獣医師は、現場の切迫した事情を次のように明かします。
「フレンチブルドッグの診療において最も歯がゆいのは、異常が『犬種の個性』として見過ごされている点です。喉頭の虚脱が進んでしまうシニア期になってから気道切開手術を検討しても、麻酔のリスクは跳ね上がり、予後は悪くなります。1〜2歳の若齢期に鼻腔拡張術や軟口蓋切除術を行う予防的介入こそが、後の10代を生きられるかどうかの分水嶺になります」