なぜ配偶者が嫌がっているにもかかわらず、妻の写真無断投稿をやめられない夫が存在するのでしょうか。心理カウンセラーや家族問題の専門家は、その根底に潜む「歪んだ自己愛」と「家族の客体化」を指摘します。
夫が妻の画像を投稿する心理を分析すると、主に3つの類型に分類されます。
第一に、「魅力的なパートナーを連れている自分」を周囲に誇示したいというトロフィーワイフ心理です。自分のステータスを高めるための装飾品として妻を利用しており、いいねやリツイートの数が自尊心を満たす燃料になっています。
第二に、「親密な夫婦関係を演出したい」という強迫観念です。家庭内の実態が冷え切っているほど、外部に向けて円満な夫婦像をアピールして精神的均衡を保とうとする傾向が見られます。
第三に、相手と自分を同一視してしまう「心理的バウンダリー(境界線)の未成熟」です。「俺の妻なのだから、俺がどう発信しようと勝手だ」という無自覚な支配欲求が働いています。
当事者が抱える精神的苦痛は深刻です。実際に弁護士相談やネット掲示板に寄せられた被害女性の手記からは、逃げ場のない絶望感が浮かび上がってきます。
「『やめてほしい』と泣いて頼んでも、夫は『顔はスタンプで隠してるし、みんな褒めてくれてるからいいだろ』と笑って取り合ってくれませんでした。しかし、フォロワーからの性的なコメントや体型を品定めする下品なリプライを目にした瞬間、激しい吐き気に襲われました。夫にとって私は人間ではなく、ネットでチヤホヤされるためのコンテンツでしかなかったのです」(30代女性・相談手記より)
このように、投稿者本人が「悪気はない」「褒めている」と主張していても、被害を受ける側にとっては深刻な精神的暴力(モラルハラスメント)として機能してしまいます。