九龍城に住んでいた人が語る衝撃の真相!「魔窟」のリアルな日常とは?

九龍城に住んでいた人が語る衝撃の真相!「魔窟」のリアルな日常とは?

九龍 城 住ん で いた 人たちの証言は、私たちが抱く「東洋の魔窟」という過激な都市伝説を静かに解きほぐしていく。かつて香港の九龍地区にそびえ立った巨大な高密度スラム「九龍城砦」。主権の隙間に生まれた無法地帯として、黒社会や不法占拠、犯罪の巣窟と恐れられたこの迷宮建築が1994年に完全に解体されてから、すでに30年以上の歳月が流れた。2026年の今、元住民たちの高齢化が進む一方で、最新のデジタルアーカイブ技術や口述記録のプロジェクトによって、当時の本当の暮らしを未来へ残そうとする動きが世界的な広がりを見せている。

迷路のように入り組んだ薄暗い廊下、頭上をかすめるように飛び去る啓徳空港の旅客機、そして隣家から漂う魚肉団子の香ばしい匂い。かつて九龍 城 住ん で いた 人が肌で感じていたのは、危険や混沌だけでなく、外の世界からは想像もつかないほど緊密なコミュニティの絆だった。行政のサービスが届かない過酷な環境において、彼らは自前で電気を引き、水路を確保し、子供を育て、独自のたくましい日常を作り上げていたのだ。

「三無地帯」に芽生えた独自の自治ルール

英国政府も中国政府も、そして香港政庁も介入しない「三不管(三つの管轄外)」と呼ばれた九龍城砦。そこには警察もいなければ、消防も、正式な税務署も存在しなかった。一見すると完全なアナーキー状態だが、内部には住人同士の信頼と助け合いに依拠した自律的な秩序がしっかりと根づいていた。

井戸水の配給時間の調整や屋上ゴミの清掃、防犯の見回りなど、生活に必要なインフラは住人たちの互助組織によって手探りで整備された。犯罪組織(三合会)が暗躍していた時代があったのも事実だが、大部分の一般住民にとって、そこは単に「家賃が安く、生きていくための仕事がある場所」だった。

頭上わずか数メートルをかすめる機体——異様な日常風景

九龍城砦の暮らしを語る上で外せないのが、すぐ目と鼻の先にあった啓徳(カイタック)空港の存在だ。建物の屋上に出れば、着陸態勢に入った大型旅客機の機体が手に取るような近さで迫ってくる。エンジン音が轟くたび、会話は強制中断され、テレビの画面にはノイズが走った。

「最初は耳がおかしくなるかと思ったけれど、一ヶ月もすれば爆音の中でもぐっすり眠れるようになった」と、かつて城砦内で暮らしていた男性は笑う。太陽の光が届かない暗い階下に比べ、屋上は洗濯物を乾かし、子供たちが走り回る貴重な解放空間であり、空を飛ぶ巨体は日常の一部として溶け込んでいた。

田中 結衣
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田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。