『風と共に去りぬ』というモニュメンタルな作品は、1930年代ハリウッドのスタジオシステムが生み出した最高到達点でもある。メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)の看板スターであったクラーク・ゲーブルの貸し出しを巡るスタジオ間の熾烈な交渉や、ワーナー・ブラザースをはじめとする競合他社との映画化権をめぐる駆け引きは、当時の業界を大きく揺るがした。
カラー映画黎明期において、テクニカラーの圧倒的な色彩美を駆使して撮影された本作は、クラシック映画の枠を超えた総合芸術として完成された。キャスティング難航の末に選ばれた英国出身のヴィヴィアン・リーと、すでに不動の地位を築いていたゲーブル。二人の火花散るケミストリーが、物語の終盤に訪れるボニーの喪失という悲哀を、より重厚で神話的な悲劇へと昇華させた事実は見逃せない。