「赤外線測定器は脳に悪影響を与える」「放射線が出ている」といった荒唐無稽な言説がネット上で囁かれたこともあったが、噂の真相は完全に科学的根拠を欠くデマだ。この機器は人体の熱放射を受動的に受け取るセンサーに過ぎず、人体に向けて有害な波長を照射しているわけではない。
しかし、科学的な限界は厳然として存在する。最大の急所は「皮膚温度」と「深部体温」の根本的な違いだ。赤外線センサーが読み取っているのは、表皮わずか数ミリの赤外線放射量に過ぎない。汗が蒸発して気化熱を奪っている状態、厚いファンデーション、直射日光を浴びた直後、あるいはエアコンの風。これら日常の些細な要因だけで、測定値は簡単に1〜2度狂う。この物理的制約を理解せずに使うことこそが、最大の落とし穴なのだ。