死亡したキャラクターたちが物語に与えた影響の中で、最も巨大な影を落とし続けているのが王騎の存在である。彼が死に際に信へと託した「王騎の大矛」は、物理的な武器以上の意味を持っている。それは「天下の大将軍」という称号の重みであり、数多の兵たちの命を背負って戦場に立つ覚悟そのものだ。
信はその大矛を使いこなすために血を吐くような努力を重ね、幾多の死線を超えることで真の将軍へと成長を遂げてきた。王騎の死は物語の序盤で訪れたが、彼の意志は飛信隊の旗印とともに常に戦場に在り続けている。
死した者が残した情熱や教えが、生き残った者の血肉となり、さらなる強さを生み出す。この「継承の連鎖」こそが、読者の心を震わせ、物語を単なる戦いの記録から壮大な人間ドラマへと昇華させている。