国内最高峰のコンクールである日本学生科学賞の過去の入賞作品を紐解くと、一つの共通点が浮かび上がる。それは、誰もが見落とすような「日常の違和感」をとことん掘り下げている点だ。
文部科学省が推進する探究学習の指針でも、生徒自身の内発的な動機が最重要視されている。国立科学博物館の展示や研究発表を見ても明らかなように、偉大な発見の多くは身近な観察から始まっている。「なぜシャボン玉の膜は場所によって色が違うのか」「なぜ雨上がりの土の匂いは特定の条件下でのみ強くなるのか」。教科書に書かれた結論をなぞるのではなく、自分が感じた小さな「なぜ」を出発点に据えることが、審査員の心を動かす第一歩となる。