彼の役者人生を語る上で欠かせないのが、鮮烈極まるデビューの瞬間だ。2007年、テレビ朝日系列で放送されたスペシャルドラマ『めぞん一刻』。主人公・五代裕作役を射止めたのは、応募総数3200人を超える大規模オーディションを勝ち抜いた、当時まだ無名だった青年だった。
大手芸能プロダクションであるスターダストプロモーションに所属し、本格的に俳優としてのキャリアをスタートさせた中林は、原作ファンの熱烈な視線に晒されながらも、不器用で実直な青年像を瑞々しく演じ切った。新人離れした度胸と、どこか親しみやすさを感じさせる素朴な魅力。しかし、本人はその成功に甘んじることなく、むしろ自らの未熟さを痛感していたという。この鮮烈なデビューこそが、彼に「一生をかけて役者という泥臭い仕事に向き合う」覚悟を決めさせた転換点だった。