裏社会を最も強固に縛り上げているのは、全国の自治体で整備された暴力団排除条例の存在である。銀行口座の開設拒否、不動産契約の遮断、さらには冠婚葬祭の会場利用に至るまで、社会的なライフラインは完全に断たれた。
かつて潤沢だったシノギは枯渇し、若手組員の獲得は事実上不可能となった。結果として残されたのは、構成員の急速な高齢化である。70代、80代の組員が珍しくない現状において、往年のような組織力や機動力を維持することは絶望的だ。警察庁が敷く厳重な包囲網は、物理的な武力衝突を抑え込むと同時に、組織を内側から静かに窒息させている。