「男は見るな」世界一怖い絵画の呪いと作者が仕掛けた心理の罠

「男は見るな」世界一怖い絵画の呪いと作者が仕掛けた心理の罠

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絵画が放つ恐怖とは、超自然的な力によるものだけではない。作家・ドイツ文学者の中野京子が著書『怖い絵』で提唱したのは、「背景にある歴史的文脈や人間の業を知ることで、恐怖は何倍にも増幅される」という知的アプローチだった。

この潮流は一大ムーブメントとなり、上野の森美術館や兵庫県立美術館で開催された「怖い絵展」には連日長蛇の列ができた。名画『レディ・ジェーン・グレイの処刑』の前に立った観客は、美しくも残酷な運命の瞬間を知ることで、真の恐怖に息を呑んだ。

美術史を紐解けば、エドヴァルド・ムンクの『叫び』やフランシスコ・デ・ゴヤの『我が子を食らうサトゥルヌス』に至るまで、名作と呼ばれる絵画の多くが人間の暗部を抉り出している。鑑賞者が絵画に戦慄するのは、そこに描かれた怪異ではなく、人間そのものが内包する狂気や残酷さを鏡のように見せつけられるからに他ならない。

橋本 菜々子
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橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。