喉の奥に白いものが見えたとき、臨床現場で最も鑑別を要するのが「急性扁桃炎の白苔」と「膿栓(のうせん:通称・臭い玉)」の違いです。両者は外見上似て見えることがありますが、その発生機序と全身への影響は全く異なります。
膿栓は、陰窩に溜まった剥離上皮(皮膚や粘膜の垢)や食べかすの残渣、口腔内常在菌の死骸が時間をかけて唾液中のカルシウム塩などと結びつき、石灰化・凝縮したものです。炎症を伴っていない場合、全身症状が出ることはありません。一方、扁桃炎による白い膿は活動性の急性感染症であり、放置すれば病勢が急速に拡大します。日常臨床における一般的な鑑別基準を比較データとして整理しました。
このように、臭い玉と急性扁桃炎の見分け方は「発熱」「痛み」「周囲の赤み」の3点に着目すれば明確に区別が可能です。ただし、慢性扁桃炎を基礎疾患に持っている場合、膿栓の周囲が軽微に炎症を起こすケースもあるため、判断がつかない場合は自己判断を避けなければなりません。