現在、春駒の現場で特に目立つのが外国人の姿だ。東京や大阪といった大都市の観光地を一通り巡ったインバウンド客が、より深い日本文化の真髄を求めて地方の小都市や村の祭事へと足を伸ばしている。言葉の壁は一切関係ない。目の前で繰り広げられるステップの力強さと、地面から足裏を通して伝わる振動が、ストレートに感情を揺さぶるからだ。
「説明を読む必要がない。音が鳴り、馬が跳ねた瞬間、身体が自然と動く」。欧州から訪れたという旅行者は目を輝かせて語る。同様に、Z世代の若者にとっても、デジタル技術や仮想空間の広がりに対する反作用として、こうしたアナログで身体的なリアリティが新鮮かつ魅力的に映っている。視覚だけでなく、五感すべてを総動員して体感する祝祭のエネルギーが、世代や国境を超えて刺さっているのだ。