クリス・コロンバス監督が手掛けた映画版は、原作小説の持つダークなトーンとサスペンス要素を巧みに映像化していますが、尺の都合上いくつかの設定やエピソードが改編・カットされています。
最も大きな違いのひとつが、幽霊たちの宴である「ほとんど首無しニックの絶命日パーティー(500回忌)」の省略です。原作ではハリーたちがカビの生えた腐敗料理が並ぶ陰鬱なパーティーに参加し、その帰り道に壁の中の声を初めて耳にするという重要な導入となっていました。
また、ダイアゴン横丁の書店「フローリシュ・アンド・ブロッツ」での描写も異なります。映画ではルシウス・マルフォイが嫌味を放ちながら日記をジニーの本に滑り込ませるスマートな描写ですが、原作ではアーサー・ウィーズリーとルシウスが激しい殴り合いの大喧嘩を繰り広げ、ハグリッドに止められるという泥臭い衝突が描かれていました。さらに、ホグワーツの悪戯ポルターガイストであるピーブズの出番が完全カットされている点も、映画版ならではの特徴です。