Q1:黒死病とペストは医学的に何が違うのですか?
A1:ペストはペスト菌によって引き起こされる感染症の正式名称です。一方、黒死病は14世紀の中世ヨーロッパを中心に大流行し、人口の3分の1を奪った特定のパンデミックを指す歴史的呼称です。皮下出血や壊疽によって遺体が黒ずんで見えたことから「黒死病」と呼ばれました。
Q2:現代の日本でもペストに感染して黒死病のようになる可能性はありますか?
A2:日本国内での自然発生リスクはほぼありません。日本では1926年以降、感染例は1件も報告されていません。ただし、ペスト菌を保有する野生動物が生息する海外の流行地(アメリカ南西部、マダガスカル、モンゴルなど)へ渡航し、野生動物やノミに接触した場合は感染するリスクがあります。
Q3:なぜあれほど恐れられた黒死病は現代では恐れられなくなったのですか?
A3:最大の理由は、ペシニリンをはじめとする抗生物質の発見と確立です。中世には原因菌も治療法も不明でしたが、現代では早期に適切な抗菌薬治療を行えば治癒する病気となりました。また、上下水道の整備や駆鼠(ネズミ駆除)技術の向上により、都市部で大規模な媒介が起こりにくくなったことも要因です。