上腕三頭筋を本格的に発達させるためには、この筋肉が「3つの頭(筋腹)」から構成されている事実を正しく把握しなければなりません。三頭筋は、外側に見える「外側頭」、深層で肘付近を支える「内側頭」、そして腕の後背側に位置する最大の体積を誇る「長頭」に分かれています。
ここで極めて重要なのが、外側頭と内側頭が「上腕骨から尺骨」に付着する単関節筋であるのに対し、長頭だけは「肩甲骨の関節下結節から尺骨」へとまたがる二関節筋であるという点です。つまり、腕を体側に置いた状態(通常のプッシュダウンなど)では、長頭は十分にストレッチされず、本来の筋出力を発揮できません。三頭筋全体の約45%の体積を占める長頭が眠ったままでは、どれだけ追い込んでも腕の厚みは生まれないのです。
効果的な上腕三頭筋長頭の鍛え方の鉄則は、「肘を肩より高く上げる(肩関節の屈曲)」、あるいは「腕を後方へ引き込む(肩関節の伸展)」ポジションを作ることです。頭上に肘を掲げてダンベルを下ろすフレンチプレスや、後方へ腕を蹴り出すトライセプスキックバックのように、肩甲骨の位置関係を計算した種目をメニューに組み込むことこそが、停滞期を打破する唯一の鍵となります。