駅西口および東口のアーケード周辺を歩くと、数年前までのシャッターが目立った風景は影を潜めている。築50年を超える古民家や元店舗の建物をモダンに再構築した複合施設が点在し、地元産の柑橘を使ったクラフトジンのディスティラリーや、波の音を聴きながら作業できるシェアオフィスが暖簾を掲げる。
「街の歴史を壊すのではなく、ストックとして活かす」。そう話すのは、地元出身でUターン起業した建築家の女性だ。古いコンクリートと温かみのある木材が調和した店内には、地元の高齢者と移住してきた若者がごく自然に言葉を交わす日常がある。新しいコミュニティの形が、駅前という最も開かれた場所で結実しつつある。